テフロンとは

☆テフロンPTFEとは
プラスチックは有機化合物と規定する考え方があります。有機化合物とは、炭素を成分に持っているものです。もっとも、テフロンはフッ素Fと炭素Cの結合体です。ですから、プラスチックともいえます。そこで、ここでは強引にプラスチックの部類に入れて話をすすめます。もしくは樹脂と呼ぶ方法もあります。樹脂は樹木から得られる液体ではないのかとしかられそうですが、合成樹脂の略だとお考えいただければと思います。
テフロンには、多くの種類があります。ここに表記されているのはPTFEとよばれるものです。(4F)と表記される方もおられます。4フッ化エチレン樹脂の略です。
PTFEテフロンは分子構造が完全な対極構造です。したがって、比誘電率は低い値を示します。つまり優れた絶縁体なのです
テフロンPTFEは他のプラスチックに比べ低い摩擦係数を持ちます。とても、滑りやすい材料です。
パーフルオロアルキル基CF3末端が整然と配置されることにより、表面エネルギーの小さい表面が形成されることになります。つまり、濡れにくい表面なのです。したがって、非粘着性であることを意味します。ひっつかない性質を持ちます。
テフロンPTFEは科学薬品に対して安定です。優れた抵抗力を示し、元素フッ素(三フッ化塩素、溶融アルカリ)金属を除くすべての薬品に対して侵されません。
テフロンPTFEは電気絶縁に優れています。高周波に対しても優れています。テフロンPTFEは広い周波数の領域に渡り、比誘電率が一定であり、誘電正接も一定であり、絶縁物と呼ばれるものの中ではもっとも小さな値を示します。
テフロンPTFEは固体の中でもっとも低い摩擦係数を示します。(摩擦係数が小さいことと、磨耗しないこととは一致した概念ではありません)
テフロンPTFEは磨耗しやすい部類に属します。これは、荷重に耐えられないことに問題があるので、こうした対磨耗を要求される場所では何らかの添加剤を加え、荷重に耐えられ、なおかつ、磨耗しにくくすることが行われています。
  
☆テフロンPTFE非粘着性
テフロンPTFEはものが付着しにくい性質があります。では、この非粘着性とは何を意味するのでしょう。定量的な尺度を用いて表現しなくては、理解していただけません。物体と液体(水)はぬれあう性質があります。まったくぬれない、状態を180度とし、まったくぬれた状態を0度、この水にぬれた角度を接触角といたしますと、テフロンPTFEは114度を示し、ポリエチレンが88度、アルミニュームが4.6度を示します。いかにテフロンPTFEがぬれにくいか、ご理解いただけると思います。 <ぬれに関しての参考図
テフロンPTFEのもつ、非粘着性は、ものがつきにくい、つまり接着がしにくいことを意味します。テフロンPTFEの表面を改質してあげることにより、接着は可能になります。具体的には、金属ナトリウムで処理してあげることになります。
この非粘着性を利用して、あるところでは、もちを、そう食べるもちをついています。そう、杵にこのテフロンPTFEを使われておいでです。大きな杵でどすんどすんとついて食感を出そうというわけです。もちのはひっつきやすいのですが、このテフロンPTFEはとてもひっつきにくいのです。
非粘着性をテフロンPTFEは持っています。このため、粘着剤、つまり、両面テープのようなものちと接したときに、離れなくなってしまうことはありません。
  
☆テフロンPTFEの融点
テフロンPTFEの融点は、327℃とされていますが、絶対値ではありません。重合したままの状態では340℃で溶融を始め、355℃で溶融します。この、状態を常温まで戻し、もう一度加熱しますと、327℃で溶融をはじめ、343℃で、完全に溶融します。このことは、融点が絶対値でないことを意味しています。ですが、この表にある製品は一度は加熱してありますので、融点は327℃と考えても正解だと思います。
テフロンPTFEを廃棄処分するには、焼却をしないで、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に従ってください。
タバコにテフロンPTFEが付着した場合、熱による分解で、ガスを吸入することになりますので、タバコに付着させないでください。
テフロンPTFEは摩擦係数は小さいのですが、荷重と摺動速度がある条件を超えると、磨耗が大きくなります。一般に軸受けに使用する場合には、荷重と摺動速度の積が10kgf/cm2.cm/secを超えないようにする必要があります。
テフロンPTFEは摩擦により、非常に、帯電しやすいので注意をせねばなりません。このことは容易にほこりなどを表面に集めてしまいます。これを、ぬぐおうと、拭いてしまうと、ほこりによる傷をつけかねません。そうした時には、水などで洗い流すといいでしょう。
  
☆テフロンPTFEと食品
260度以下の温度で使用されるのであれば問題の発生をみることはありません。
テフロンPTFEを食したとしても、テフロンPTFEは薬品に非常に侵されにくい性質を持っているために、消化されることはありません。このことは、食品に接して、その食品によって磨耗などによって微量のテフロンPTFEを食べたとしても人には無害だとされています。もちろん大きな塊を食すようなことは想定していません。つまり、もちをのどにつまらせてしまう。こうしたことをお話しているのではありません。食品安全衛生法の基準を満足していることは、いうまでもありません。
フライパンにテフロンがコーティング(皮膜)されています。食品を調理したときに、誤ってこの皮膜を食したとしても、人体には影響がないとされています。ある実験ではこの皮膜をマウスに体重1キロ当たり4gのPTFEを摂一週間にわたって摂取させたところ、体重や各組織に異常は見られなかった。また、同じことを10匹のマウスに対して行ったがやはり変化は見られなかった。
  
☆テフロンPTFE環境負荷
フロンガスとテフロンPTFEは同じものでしょうか。結論から言いますと、まったく異なったものといえます。テフロンPTFEは炭素とフッ素で構成された固体なのです。フロンガスは炭素とフッ素までは同じなのですが、これに塩素が構成要素として加わってできた気体です。従って、まるで異なったものといえます。
テフロンPTFEは炭素とフッ素のみで構成された固体といえますので、環境ホルモンとは縁がありません。環境モルモンとは内分泌かく乱物質、ものを燃やしたときに発生するダイオキシンや、軟質塩ビなどに含まれる可塑剤、ポリカボネートなどから溶出するビスフェノールAを指しています。テフロンPTFEはポリテトラフルオロエチレンのみで構成された純粋なものです。
  
☆テフロンPTFE取り扱い
名称はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり ここからの下記の文は日本弗素樹脂工業会モデルシートからの引用です。したがって、粉末の状態を含む安全シートです。従って、加工したときに発生する、削りかすもこれに準ずると考えてください。
組成,成分情報単一製品、混合物:単一製品、100%
化学式又は構造式:CF2-CF2-CF2-CF2,
官報公示整理番号:化審法6-939CAS番号:9002-84-0
危険有害性の要約危険性:
難燃性(UL規格:94V-O)。
通常の温度及び貯蔵条件では安定。有害性:通常の取扱いでは有害性はない。
ふっ素樹脂を加熱すると、熱分解生成物(ヒユーム)を発生し、これらを吸入すると、眼、鼻、及び肺に刺激を生ずることがある。環境への影響:データなし。
環境影響情報の項を参照のこと。
応急措置眼に入った場合:直ちに多量の水で十分に洗う。
もし充血やかゆみなどの症状が生じた場合は、眼科医の手当てを受ける。
皮膚についた場合:皮膚に触れても害はないが、取扱い後は皮膚を洗うことが望ましい。溶融したポリマーが皮膚に接触した場合は、冷水で速やかに冷やし、皮膚に付着したポリマーがある場合は剥がしてはならない。もし火傷をしている場合は医師の手当てを受ける。
吸入した場合:粉体を吸入した場合は、十分にうがいをする。もし異常があれば医師の手当てを受ける。樹脂の加熱又は燃焼によって生じるヒユームを吸入した場合は、新鮮な空気の場所に移す。
その後異常があれば医師の手当てを受ける。飲み込んだ場合:飲み込んでも害はないが、異常があれば医師の手当てを受ける。
火災時の措置消火方法:自己消火性で燃えにくい物質であるが、周辺で火災が発生した時は、燃焼源を断ち、消火剤を使用して消火する。
ただし、酸素濃度が95%以上あれば燃焼する。
消火剤:水、泡沫消火剤、粉末消火剤等いずれの消火剤でも使用可。
保護具:火災中にふっ素樹脂が存在する場合には、自給式の呼吸器及び保護衣を着用する。また、手袋はクロロプレン製のものを使う。注意:ふっ素樹脂が高温にさらされた場合は、有害な微粒子、ヒューム、ガスを発生するので、火災時には吸入しないように極力風上に逃げること。
漏出時の措置漏出した時は速やかに掃除機などで回収を図り廃棄物用容器に入れる。
取扱い及び保管上の注意[取扱い上の注意]取扱い場所は禁煙とする。
当該物質が付着した煙草の喫煙により分解ガスを吸入する恐れがあるので、作業場への煙草の持ち込み禁止及び禁煙とし、取扱い後はよく洗顔と手洗いを行う。
その他の場所においても当該物質が煙草に付着しないように注意する。
樹脂を260cC以上で使用又は加熟しないこと。
もし、その恐れがあるときは換気をよくすると共に、局所排気装置を設置すること。
[保管上の注意]保管場所は禁煙とする。使用後は容器の蓋を必ず閉める。
ぱく露防止及び保護措置管理濃度:
設定なし許容濃度:ふっ素樹脂としての許容濃度はない。参考までに一般粉じんの許容濃度を次に示す。
日本産業衛生学会(TWA)(2001年度版)吸入性粉じん2mg/m3総粉じん8mg/m3ACGIH(TLV-TWA)(2001年度版)総粉じん10mg/m30HSA(TLV-PEL)総粉じん15mg/m3設備対策:260cC以上に加熱する工程では、局所排気装着を設置する。
保護具:通常の取扱いでは必要としない。
当該製品の取扱い温度が260℃以上に加熱され、生ずる分解生成物中に人体がばく露される場合はエアーラインマスクを使用する。樹脂が身体に付着しないように、必要に応じて保護眼鏡、保護手袋、保護衣、保護靴を着用する。
物理的及び化学的性質物理的状態:
粉末、固体色:白~乳白色融点:327℃-160-蒸気圧引火点可燃性:適用せず密度:2,14~2.20:データなし発火点:データなし:
難燃性(UL : 94V-O)溶解度:水に不溶爆発限界:データなし
安定性及び反応性安定。通常の貯蔵条件では安定である。260℃以上で極めてゆっくり分解をはじめる。400℃以上では分解速度が早くなる。熱分解により生成がはじまる可能性のある温度レベルとその成分430℃以上-テトラフルオロヱチレン440cC以上-ヘキサフルオロプロピレン470(C以上-パーフルオロイソブチレン500℃以上-ふっ化カルボニルアルミニウム及びマグネシウムのような金属の粉末、ふっ素(ら)及び三ふっ化塩素(CIF3)のようなふっ素化合物の酸化剤と反応し、火災や爆発を起こす恐れがある。
有害性情報急性毒性動物実験発ガン性:データなし
:皮膚に刺激性はない。動物実験で、高濃度の粉じんを吸入ばく露すると、肺を刺激する結果が得られた。反復投与しても顕著な毒性の影響はない。
動物及び細菌培養実験では遺伝子毒性を示さない。:日本産業衛生学会(2001年)、OSHA(米国労働安全衛生法)、NTP(米国国家毒性計画)のいずれも記載なし。
(ふっ素樹脂が熱分解した場合)健康に対する影響:燃焼した時に生ずるヒュームを吸入すると、熱、悪寒、咳のような一時的な流感に似た症状のポリマーヒューム熱を生じる恐れがある。場合によっては一昼夜継読することがある。皮膚から吸収されることはなく、感作性に関する報告はない。ふっ化水素の影響:低濃度のふっ化水素を吸入すると、まず息苦しくなり、咳がでて、眼、鼻及び咽喉に重度の刺激を生じ、熱、悪寒が1~2日読いた後、呼吸困難、チアノーゼ及び肺水腫が起こる。ふっ化水素の短期及び長期に高濃度でばく露すると肝臓及び腎臓を損傷する。ふっ化カルボニルの影響:皮膚…不快感又は発疹を生ずる。眼…角膜又は結膜の潰瘍を生ずる。呼吸器系…刺激、肺…咳、不快感、呼吸困難、又は息切れ等の一時的な刺激を生じる。(肺疾患の経験者は熱分解生成物の過剰なばく露による毒性の影響を受け易い)
環境影響情報分解性:データなし蓄積性:
データなし魚毒性:データなし
その他:その他、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)は含まれていない。
廃棄上の注意廃棄専用容器等により他の物と区別して保管廃棄する。粉末、成形品、粉末の付着した袋・ライナーは焼却せずに埋立て処分する。廃棄物を処分する際には、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に従って都道府県知事が許可した産業廃棄物処理業者もしくは地方公共団体がその処理を行っている場合にはその団体に委託して処理を行う。
輸送上の注意容器は衝撃、転倒、転落などにより破損する危険があるので乱暴な取扱いは避ける。もし、破損して内容物が飛散した時は滑って転倒する危険性があるので十分注意して掃き取る。国連分類及び国連番号:該当なし
適用法令該当法令はない。
その他の情報[用途限定】本製品の原料は、人体に移植したり、体液や生体組織に接触する医療器具等への使用を目的として特別に設計・製造したものではありません。従って、医療関連機器等への使用が想定される場合は事前にご相談下さい。[その他]この危険有害性情報は、工業用途について一般的な取扱い等を前提に作成したものです。従って、実際の取扱い等においては、ここに記載してある危険有害性情報を参考にし、十分注意して取扱って下さい。[引用文献1(1)“ふっ素樹脂製品取扱いマニュアル"日本弗素樹脂工業会(2000)(2)米国国立労働安全衛生研究所“ふっ素樹脂熱分解生成物"…日本弗素樹脂工業会(1982)(3)DuPont Canada lnc.,“TEFLON” PTFE FLUOROCARBON RESIN, ALL GRADES LISTEDON PL0016126”MSDS,Canada Centre for occupationa1’ Health and Safety(1992)(4)The Fluoropolymers Division o f The Society o f the Plastics lndustry,lnc.「Guide to the Safe Handlingo f FLUOROPOLYMER RESINS」(1998)この情報は新しい知見に基づき、改訂されることがあります。記載内容のうち、含有量、物理/化学的性質等の情報は保証値ではありません。危険・有害性の評価は、現時点で入手で.きうる資料・データ等に基づいて作成しておりますが、すべての資料を網羅したわけではありません。 ☆まで☆

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